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調布女子学生会館便り

調布女子学生会館便り

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ピアノリサイタルに行ってまいりました

2024-07-16
東京オペラシティ
7月12日の金曜日に、京王線初台にある、東京オペラシティでのピアノリサイタルに行ってまいりました。
今回で3回目なのですが、前回のショパンコンクールで反田さんと同じ二位受賞した、アレクサンダー・ガジェブさんです。実はガジェブさんとは、イタリアのパドヴァのコンサートで、ベートーヴェンのピアノコンチェルトで出会っていたのです。ですから、実質、4回目のコンサートですね。
ショパンコンクールの後のリサイタルは決まって二分間の暗い会場での沈黙という儀式をしてから、いつのまにかガジェブさんが弾きだす、、という流れになっており、今回もそのように始まりました。音楽は言葉である。という、ガジェブさんのメッセージも同じく流れます。
この言葉、のくだりで、いつも私はヨハネの福音書の始りを思い出してしまうのです。

今回の曲目は、ベートーヴェンの7番交響曲の第二楽章をモチーフにした現代作家コリリアーノ(失礼ながら存知あげなかった)のテクニカルな幻想曲に始まり、継ぎ目なしにリストが編曲した、そのベートーヴェンの第7番交響曲第二楽章を弾かれていました。この楽章は有名ですから、ピンとこない方も聴けばわかると思います。なんというか、少し不吉な感じもする、短調の曲ですが、言うに言われぬ美しさがあり、だからリストも編曲したのかと思います。
リストの作品は続き、ショパンやポーランド紛争でなくなった朋友のために作曲した葬送曲には、ちょうどショパンの英雄ポロネーズを短調にしたようなフレーズが出てきました。

スクリャービンの練習曲を数曲のあとに続けてソナタ黒ミサ。

なんというか、世界で起こる戦争を嘆き、祈るようなプログラムだったと思います。

暗い選曲が多かったですが、天井が高く、天窓のある、オペラシティのホールに透き通った音が登っていくような感覚がありました。

とても素晴らしかったです。調布からも気軽に行けますから、皆さんコンサートや演劇を楽しむのも良いと思いますよ。おススメです。

お能に行ってまいりました。

2024-06-10
国立能楽堂
昨日友人と国立能楽堂へお能の鑑賞に行ってまいりました。調布から40分もあれば行けるんですね。まあ、特急で新宿に出てから総武線で二駅ですし、駅からも近いですし。

昨日は狂言は人間国宝の山本東次郎さんが大名を演じる、「文相撲」とお能は観世善正さんがシテの「鸚鵡小町」でした。
山本東次郎さんはお年を感じさせない張りのある声で、軽妙な大名を演じていて、流石でした。
鸚鵡小町は、年老いた小野小町が今にも倒れそうな様子でとぼとぼと歩き、帝からの使者の前で杖をつきながらも舞うお能でした。徹底的に静かで派手さ、美しさのない演目ですが、きっと若い人には枯れた媼の演技はできないのだろうと思います。能楽師の凄いところは、面によって可憐な乙女にもなれるし(本当に初々しい若い女性にしか見えません)、鬼になったり老女になったりできるところですね。
昨日の演目はやや難しい上級者向けなのかと思いました。

国立能楽堂の凜とした佇まいも大好きです。

10年ほど前に、能装束の裂で作った巾着袋を母にお土産に買ったことがあります。母のお友達がプレゼントしてくれた名前入りの根付もついていましたし、読みかけの本をその金襴の袋に入れて荼毘に付したことを思いだしました。
昨日は何人かの旅立たれた御恩のある方を思い出した日でもあります。

映画 エドガルド・モルターラ

2024-05-21
先日、友人と恵比寿に映画を観に行きました。
何気なく目に入った、「エドガルド・モルターラ」です。御年84歳のベロッキオ(有名な彫刻家と同じ名前ですね)監督の作品で、かのスピルバーグ監督も映画化したかった実話のようです。
細かい説明が劇中でされるわけではないので時代背景など勉強しておいてから鑑賞すると、複雑な物語(事実)がいくつも浮かびあがるのでお薦めです。
都市国家の形態を伝統的に踏襲してきたイタリアが統一国家になろうとする、ちょうどローマの教皇領を併合する時期が、「誘拐」の舞台です。
原題は誘拐のようですので、そのころヨーロッパで有名になった事件なのでしょう。

裕福なユダヤ人の家の中間子のエドガルドは、メイドの「煉獄に堕ちることを免れさせなければ」という思い込みによってカトリックの洗礼を施されてしまいます。その秘密がどうやって漏れたのかわかりませんでしたが、仲良く平和に暮らしていた一家から、可愛いエドガルド坊やは強制連行されて神学校に入れられてしまいます。
家族は坊やを取り戻すために様々なことを試みますが、裁判にもなり、父は絶望の叫びをあげるのです。
母親と面会した時は、エドガルドは母の教えを守り、ユダヤ教の祈りをかかしていない、と抱き着きます。子役が天使のように可愛らしいのと対照的に大人たちの憔悴しきった顔。
教皇領にエドガルドの兄が攻め込んで、エドガルドを迎えに来た、と言いますが、その時にはエドガルドはすっかりカトリック信徒として生きることを決めていました。

ちょっとホラーだなと思ったのは、母の臨終の床に呼ばれたエドガルドが、サッと隠し持った聖水の瓶を取り出し、母に緊急洗礼を施そうとしたことです。エドガルドはそれが良い事と信じて疑いもありませんが、母は拒否してユダヤ教徒として死を迎えます。

信仰、家族愛、政治的な問題、宗教と権力、金、、いろいろと深堀りすれば盛りだくさんの映画だったでしょう。

私が感じた単純な感想は、自分の居たコミュニティーに帰れなくなってしまった子供ということです。家族にとって、たぶん幼いエドガルドにとっても引き離されることは悲劇です。でもその後、エドガルドはカトリックにすっかり洗脳され、教皇の祝福を求める敬虔な神学生となります。
母の死の前に、エドガルドをさらった教皇の死があり、市民たちは教皇の遺体をテヴェレ川に落とそうとします。エドガルドは最初必死に教皇を守りますが、いつのまにか暴徒と一緒になっているのです。教皇に対する気持ちに、葛藤もあったのでしょうか。

その後の母への洗礼を施そうという行為、、、。ただ、洗脳されたという単純な見方ではなく、エドガルドにも葛藤はあったというように描かれていると思いました。

宗教という名前で、家族を突然奪われるということは現代でもあります。戦争、宗教二世の苦しみなどが、いま、問題になっています。
そのような意味では、19世紀の事件ですが、現代にも通じることがあるのでしょう。私は人々を救済するはずの宗教で戦争になり殺しあうようなことほど、人類のすることで馬鹿々々しいことはないと思っています。

エドガルドはその後、宣教師として一生を終えたそうです。

バラの季節です

2024-05-08
今年は4月30日、5月1日、2日を休みにすると10連休になったゴールデンウィークです。
皆様はどのようにお過ごしだったでしょうか。コロナ禍でままならなかった休日ですが、今年は楽しまれたでしょうか。
私もコロナ前はいつも海外一人旅を計画して出かけるのを楽しみにしていました。海外で美術鑑賞したり、オペラやバレエ、コンサートを堪能したり、一人旅の緊張感も旅の醍醐味でした。現地の鉄道やバスを調べてチケットを買ったり、お財布をあまり出したくないので、日本で買えるチケットは殆ど手配したり、そのように計画するのも楽しいものです。
愛犬も今年で12歳になって、来年の旅も迷っていて未定なのですが、今年も家でのんびり過ごしました。学生さんも帰られる方もいれば、そのままいらっしゃる方も居ていろいろです。五月病にならないといいですね。
10年以上前からバラ栽培にハマりまして、バラ愛好家の方はおわかりになると思いますが、バラというものは毎年新品種も出ますし、どんどん増えていきます。
6階の館長宅でも今、赤いリパブリックドゥモンマルトル以外は満開です。

コリンクレイヴン
ジュールヴェルヌ
今年の新入りさんです。他にも新苗のエクリュがありますが、お花は来年まで我慢します。
母が好きだった紫いろのコリンクレイヴンと、よく見るYouTubeのコマツガーデンの後藤みどりさんお薦めのジュールヴェルヌです。コリンクレイヴンは大輪といってもよく、香りも良いですし、ジュールヴェルヌは小さな花ですがフルーツ香の可愛らしいバラです。
シャトードゥシュベルニー
ガートルードジェキル
こちらはオベリスクに巻き付けた、フランスのバラ、シャトードゥシュベルニーとイングリッシュローズのガートルードジェキルです。ガートルードジェキル、良い香りなのですが棘が鉄条網のようで手ごわいのです。ガートルードジェキルは女性の造園家で、ウィリアムモリスなどと一緒に有名な屋敷の庭園などを手掛けた方だそうです。女性が仕事を持つことがなかなか難しい時代に頑張っていたのでしょうね。ラファエル前派のモデル(というのは当時とても卑しい仕事とされていたようです)だった、モリス夫人とは対照的ですね。
これらは秋にはあまり咲かないので、花が終わったら剪定してしまおうと思います。
ヨハネパウロ二世
ダフネ
前の庭でも育てていた、ヨハネパウロ二世。大輪で香りの良い白バラです。この花、大好きなんです。
あととっても花もちのよいダフネ。
調布女子学生会館の6階ベランダのミニバラ園でした
冬の間のお手入れが大変ですが、5月は報われる一年で一番良い季節なんですよね。旅行に行くと、このお花も満足に堪能できないというジレンマがあります。
父の誕生日、13日ごろには、きっと父の好きな赤いバラ、リパブリックドゥモンマルトルも満開になるでしょう。
花が終われば、また秋や来年に向けてのお手入れが始ります。

イフタールに参加してきました

2024-03-21
東京ジャーミー
イフタールメニュー
コロナ禍には行けませんでしたが、昨日の春分の日に友人と、代々木上原にあるモスク、東京ジャーミーに予約をしてラマダン(断食)明けのお食事である、イフタールにお呼ばれしてきました。四年ぶりくらいでしょうか、、。予約をすれば、誰でもウェルカムで日本語のメニューボードもありました。

お料理ですが、少し辛味のあるスープ、カレーのようなもの、マカロニにヨーグルトをあえたようなお料理です。
このマカロニ料理がたくさんあって、私もついとりすぎてしまい、すっかりマカロニ腹になってしまいました。

モスクに居る方達は皆さん親切で、どうぞどうぞと声をかけてくれたり、お菓子をくれたり、、とってもありがたかったです。また、皆さんの日本語の上手なこと。でも英語でも喋ったり、トルコのモスクですからトルコ語?でも喋ったり。

また、モスクにはハラールフードのミニスーパーがあり、ケーキなども売っています。友人が言うには、イスラム教の方達はお酒を飲まないので甘いものなどを食べながらお喋りをするのが好きなのだそうです。

お食事は薄味でとても美味しかったですが、食べ過ぎてしまいました(^^;

夜のモスクも素敵ですね。


お料理
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