調布女子学生会館便り
調布女子学生会館便り
お能に行ってまいりました。
2024-06-10
昨日友人と国立能楽堂へお能の鑑賞に行ってまいりました。調布から40分もあれば行けるんですね。まあ、特急で新宿に出てから総武線で二駅ですし、駅からも近いですし。
昨日は狂言は人間国宝の山本東次郎さんが大名を演じる、「文相撲」とお能は観世善正さんがシテの「鸚鵡小町」でした。
山本東次郎さんはお年を感じさせない張りのある声で、軽妙な大名を演じていて、流石でした。
鸚鵡小町は、年老いた小野小町が今にも倒れそうな様子でとぼとぼと歩き、帝からの使者の前で杖をつきながらも舞うお能でした。徹底的に静かで派手さ、美しさのない演目ですが、きっと若い人には枯れた媼の演技はできないのだろうと思います。能楽師の凄いところは、面によって可憐な乙女にもなれるし(本当に初々しい若い女性にしか見えません)、鬼になったり老女になったりできるところですね。
昨日の演目はやや難しい上級者向けなのかと思いました。
国立能楽堂の凜とした佇まいも大好きです。
10年ほど前に、能装束の裂で作った巾着袋を母にお土産に買ったことがあります。母のお友達がプレゼントしてくれた名前入りの根付もついていましたし、読みかけの本をその金襴の袋に入れて荼毘に付したことを思いだしました。
昨日は何人かの旅立たれた御恩のある方を思い出した日でもあります。