本文へ移動

調布女子学生会館便り

調布女子学生会館便り

9.11

2021-09-10
薔薇、ヨハネパウロ2世
今日読んだネットニュースの中で、20年前の9月11日に起きた、アメリカの世界貿易センターからの脱出を語った男性のものがありました。
生き地獄のような体験をされた方の名は「ジョセフ・ディトマー」氏、保険会社勤務で当日のその時間は会議中だったそうです。
その中で印象に残った言葉を記します。
ツインタワーの隣のビルに旅客機が突っ込んだことを知り、階段で退避したディトマー氏は途中で知り合いの男性にエレベーターで降りよう、と誘われても、火災時エレベーターでは脱出しないという原則を思い出し断ったそうです。
避難するうちにディトマー氏の居るビルにも旅客機が、2階上くらいに激突し、階段の手すりは外れ階段が海のように波打ち、熱気が立ちはだかり、ジェット燃料の臭いがした。恐怖に包まれたが、階段にいる人の間には不思議な一体感があり、ある男性は障害のある女性を背負っていた、、、そうです。
ディトマー氏は「本当に美しい光景でした。いつもこんなふうだったらいいのに」と語っていたそうです。

また、15階では警備員が人々に避難をうながしながら、ゴッド・ブレス・アメリカを歌っている光景を目にしました。

そしてディトマー氏はそれから何人もの消防士や救助隊員が上に登る際にすれ違ったそうです。
「彼らの目は上に行けば帰ってこられないと語っていました。どうすればそんなに勇敢に強くなれるのでしょう」
ディトマー氏と同じく、この方達の想いと運命を考えると私も涙があふれてきます。

あの日、夜11時ころ、ちょうど私は何気なくテレビを見ていました。NHKだったと思います。
画面がいきなり切り替わり、大変不謹慎ですが、ハリウッドの特撮映画の映像のようなものが流れました。空は青かったと思います。
しばらくは自分の見たものが信じられませんでした。私からかけたのか、友人からなのか、、、わかりませんが電話でその映像を見ながら呟くしかできませんでした。
「信じられない、、、大変なことが起こっている」

それからのことは、皆さんも知る通りです。多くの日本人も犠牲になりました。また、戦争が起こり、沢山の命が失われました。
今、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退で、アフガニスタンの人々が困窮しています。以前、たまたま観たアニメ映画「ブレッドウィナー」の世界がまた再臨しようとしているのです。

明日また巡ってくる20年目の9月11日。
世界の平和、また、ディトナー氏が感じたように、「いつもこんなふうだったらいいのに」という優しい世界。
美辞麗句を並べ立てるのは簡単ですが、私たちの生活の小さな場所からでも、少しずつ変われるといいですね。

明日はそんなことを想いながら過ごしたいと思います。
TOPへ戻る