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調布女子学生会館便り

調布女子学生会館便り

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初釜

2022-01-12
スマホなど持たずに出かけたので何も写真がないのですが、、。

学生の頃から茶道を習っていた先生に初釜に招待していただきました。これで二年連続になります。私は膝を痛めて正座ができなくなりましたのでやむなく、茶道は断念したのですが、左利きで不器用を自覚する息子が、所作を美しくしたいと申しまして、恩師にご教授いただくことになり1年以上が経ちました。
茶道はもちろん、もともと男子のものであり、裏千家も明治維新という革命が起きた時、大名たちなどの顧客をうしない、婦女子にも普及しはじめたそうです。
いまや、茶道は女子によって支えられていますね。

初釜は、なんといっても一番華やかではないでしょうか。
炉縁には蒔絵が描かれ、お飾りも優雅ですし、お道具もおめでたい意匠で拝見がとても楽しみです。

香合は金彩のぶりぶり香合、松竹梅と翁と媼が描かれています。

お茶杓は淡々斎のお作で、寿ぎの短歌が銘のかわりに書いてありました。

お薄の茶杓はメノウ製、

お茶碗のひとつは人間国宝のお作だそうで、ペルシアのラスタ彩を復元された作家さんの作品だそうです。
手にとってよく見ないとわからないのですが、光源が映るとステンドグラスのように七色に光る珍しいものでした。

茶道の所作など殆ど忘れてしまった私ですが、先生の手さばきや所作を見ていると無駄がなく、美しく、まさに日本人の美意識である、
究極のシンプルであることがわかります。

息子のお点前を初めてみましたが、やはり着物を着なくては、本当の所作を身につけるのは難しいかなと思いました。
邪魔になる袂、正座しながらにじる時の乱れを押さえるために置く手、、、。

先生も、「稽古の時は着せてあげて」とおっしゃっていたので、今年はまずウォッシャブルかウールの着物でもあつらえてあげようかな、、と思ったり。

しかし本人は、落語好きなので黄色など派手な色の着物が欲しいそうですが、
「笑点みたいになっちゃうからやめて」と先生に釘を刺されていました。

今年は晴れて、とても良い初釜の日となりました。

ロシア大使館に潜入?してきました

2021-12-08
ステンドグラス
マトリョーシカたち
私たちの住む、多摩地区を走る便利で安い私鉄、京王線。(今年は恐ろしい事件も小田急線とともにありましたが、、)
京王帝都電鉄のデパート(おばちゃんに優しいデパートと言われています)のご厚意で、友人とロシア大使館に遊びに行ってまいりました。
一昨年、ロシア旅行するためにビザを申請しにいって以来ですが、もちろん正面入り口から入るのは初めてです。
レセプションルームへと続く階段の壁一面がステンドグラスになっており、有名だそうなので写真を撮っていただきました。
レセプションルームの最奥に金属の作品があって、それも有名だそうです。モスクワ市内の様子です。大きい。
レセプションルーム
壁画
さて、御不浄場に行きたいと申しましたら、壁がドアになっていて(わかりにくい)応接室のようなものがあり、そこがトイレでした。
ミステリーですね、、、、。
民族衣装も可愛かったです。
何をしにいったのでしょうね?
秘密です。(笑)
トイレです
民族衣装

ショパンコンクール2021

2021-10-21
パドヴァスクロベーニ礼拝堂
ショパンコンクール、昨年予定されていたものが今年開催され、多くの人を惹きつけて終わりました。ファイナルの結果発表は日本時間の朝9時すぎ、やっとお昼のニュースに間に合うタイミングでした。結果はかなり揉めたらしいですが、日本人ファイナリストの反田恭平さんはアレクサンダー・ガジエフさんと同じ2位、4位に前回のファイナリストで反田さんとは小学校からの幼馴染という小林愛実さんが選ばれました。
学生さんもピアノが好きで趣味で弾かれる方も多いですし、先日も「今はLIVEでショパンコンクールが観られるなんて、、」とある学生さんと話していたら、お母さまがやはり大好きだそうです。
今回は、youtuberのかてぃん、こと角野隼人さんや、医大生澤田さんという異色な顔ぶれの出場もあり、視聴者が増え、それぞれのファンにクラシックに親しむ大きな機会を与え、クラシック演奏家にとって中々厳しい日本では、クラシックのハードルを下げてくれたことにきっと演奏家の人たちも感謝しているのではないでしょうか。

と、なんだかショパンコンクールのことを熱く語ってしまいましたが、
何故、パドヴァのスクロベーニ礼拝堂の写真かというと、、、
3年ほど前、イタリア旅行した時にパドヴァで友人と落ち合って、ベートーベンのピアノコンチェルトを聴きに行ったのです。そのソリストが、今回2位のガジェフさんだったということを友人に指摘されて、今更ながらラッキーだったな、と思っています。(私は失念しておりました)

パドヴァのスクロベーニ礼拝堂は実は大塚美術館で観て大変感激し、本物を観なければ、、、と二回も観に行きました。古い貴重な建物ですので、人数ごとに入れる時間は決まっています。青い色はすべてラピスラズリの高価な青です。行って良かったと思える場所のひとつです。

金木犀の不思議

2021-10-05
金木犀2021
今年は秋の彼岸よりずっと前に木犀の香りに気づき、ずいぶん早いものだなあ、と思いました。
そして花が散るのも早かったです。
ところがここ数日でやっと気づいたのですが、また、前よりも多く咲いて香っているではありませんか、、、。
調布女子学生会館から東急ストアに買い物に行く時によく通る裏道の御宅の金木犀の写真ですが、撮らせていただきました。
散ったと思った木犀がまた咲いている、ラジオ番組でも言及されていたようでなんとなく嬉しいですね。
二度咲するなんて初めて知りました。
父が木犀が好きで、金木犀を植えていたのですが、実は父が入院したりしてから手入れを怠ってしまい、枯れてしまったのです。
今年は父も母も喜んでいそうですね。世の中は混沌としていますが、、、。
どうか、明るい兆しが見えますように、と祈るばかりです。

9.11

2021-09-10
薔薇、ヨハネパウロ2世
今日読んだネットニュースの中で、20年前の9月11日に起きた、アメリカの世界貿易センターからの脱出を語った男性のものがありました。
生き地獄のような体験をされた方の名は「ジョセフ・ディトマー」氏、保険会社勤務で当日のその時間は会議中だったそうです。
その中で印象に残った言葉を記します。
ツインタワーの隣のビルに旅客機が突っ込んだことを知り、階段で退避したディトマー氏は途中で知り合いの男性にエレベーターで降りよう、と誘われても、火災時エレベーターでは脱出しないという原則を思い出し断ったそうです。
避難するうちにディトマー氏の居るビルにも旅客機が、2階上くらいに激突し、階段の手すりは外れ階段が海のように波打ち、熱気が立ちはだかり、ジェット燃料の臭いがした。恐怖に包まれたが、階段にいる人の間には不思議な一体感があり、ある男性は障害のある女性を背負っていた、、、そうです。
ディトマー氏は「本当に美しい光景でした。いつもこんなふうだったらいいのに」と語っていたそうです。

また、15階では警備員が人々に避難をうながしながら、ゴッド・ブレス・アメリカを歌っている光景を目にしました。

そしてディトマー氏はそれから何人もの消防士や救助隊員が上に登る際にすれ違ったそうです。
「彼らの目は上に行けば帰ってこられないと語っていました。どうすればそんなに勇敢に強くなれるのでしょう」
ディトマー氏と同じく、この方達の想いと運命を考えると私も涙があふれてきます。

あの日、夜11時ころ、ちょうど私は何気なくテレビを見ていました。NHKだったと思います。
画面がいきなり切り替わり、大変不謹慎ですが、ハリウッドの特撮映画の映像のようなものが流れました。空は青かったと思います。
しばらくは自分の見たものが信じられませんでした。私からかけたのか、友人からなのか、、、わかりませんが電話でその映像を見ながら呟くしかできませんでした。
「信じられない、、、大変なことが起こっている」

それからのことは、皆さんも知る通りです。多くの日本人も犠牲になりました。また、戦争が起こり、沢山の命が失われました。
今、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退で、アフガニスタンの人々が困窮しています。以前、たまたま観たアニメ映画「ブレッドウィナー」の世界がまた再臨しようとしているのです。

明日また巡ってくる20年目の9月11日。
世界の平和、また、ディトナー氏が感じたように、「いつもこんなふうだったらいいのに」という優しい世界。
美辞麗句を並べ立てるのは簡単ですが、私たちの生活の小さな場所からでも、少しずつ変われるといいですね。

明日はそんなことを想いながら過ごしたいと思います。
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